【アダルトチルドレンの悩み①】なぜ意味なくキレるのか?厄介な怒りに取り憑かれる

アダルトチルドレン(AC)が日常で抱く「厄介な怒り」は深刻なテーマのひとつです。なぜ厄介なのかというと、怒りの対象や反応が一筋縄でなく、AC自身、この感情がどこから生まれるのかわかりません。そんな手に負えない怒りによって思考を支配されたり、心を掻き乱されたりするのです。ACを苦しめる「厄介な怒り」がなぜ、どのように生まれるのか、理解していきましょう。怒りの火元・火種がわかれば消火活動もしやすくなります。

 

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乱反射する?アダルトチルドレンの怒り

怒りの発端になるのは、多くの場合、相手の発言です。
心ない言葉や、否定的な言葉を投げつけられたら、誰だってムカつくのは当たり前です。
では「才能(能力)がある」「真面目だね」「やさしいね」「責任感がある」は? 少なくとも怒りの対象になるとは誰も思わないでしょう。ところがACの場合、自分への好印象、高評価にも怒りの矛先が向けられます。そのため、相手にとってこの怒りは理解しがたく、受け入れることが困難になるのです。

 

褒められたり、感心や感動を伝えられたとき、テレや謙遜でなく、ACには本気で否定的な感情が湧いてきます。ギャグやジョークを除いて、ACが褒められて有頂天になるということはほぼありません。それどころか、居心地が悪くなったり、心に黒い感情が去来したりします。「なんで!?」という抵抗や反発、「この人、何もわかってない」「何か文句でもあるのかな」「好きでやってるわけじゃないのに」という否定的な思考が渦巻くのです。


他者からの好意や高評価をACがストレートに受け取れないのはこのためです。強硬に拒んで、認めません。労いや感謝の言葉にさえ、「裏があるのでは?」と疑いの目を向けます。その結果、自縄自縛に陥って人間関係が難しくなり、関係途絶に至ったり、居場所を失ってしまうケースも残念ながら珍しくはありません。

 

厄介な怒りのシステムと発動する原因

自分に対する肯定的な評価に対して、怒りや反発、抵抗感などの否定的な感情が生じてしまう。これ、実はAC特有の反応で、原因は毒親との関係性にあります。

 

原因①肯定された経験が乏しい

人は無意識に【慣れ親しんだもの】を選択します。
ACは幼い頃から長きにわたって毒親から一人の人間として尊重されないことを体験させられてきました。本来、人はこの時期に、親からたっぷり愛情を受け取り、「自分らしさ」を肯定されることで「自分は自分、あるがままでよい」というアイデンティティーを確立していきます。その代わりに、幼いACが発達させたのは自己を否定する思考です。親から健全な愛着関係が形成されることもなく、人として尊重されることもない、過酷な育成環境に適応するにはそうするしかなかったのです。

 

愛情や尊厳、安全でなく、恐怖や虐待、争い・不和にアダルトチルドレンは育まれた


――よその子と異なり、家庭は自分を無条件に受け容れてくれる場ではない。それは、自分が「正しくない」「望まれない」「できが悪い」からだ。だから、ここ(家)にいるためには、好むと好まざると、いつも頑張りや我慢を続けなければならない――これがACの生存戦略でした。

 

そんなACが、肯定的な評価など受け入れらようはずもありません。自ら深く刻みつけた「自分=否定されるべき存在」という信念は生き延びた証なのです。

 

原因②肯定的な感情=愛情を疑う

ACにとって「無条件の愛」は実在しないおとぎ話です。

ACが知っている真実の愛とは、毒親から与えられた「条件付きの愛情」だけです。それにはいつも裏があり、見返りを要求されるもので、「今度は何?」と無条件に強い警戒心を抱くものでした。


存在しないはずの自分に対する肯定的な感情=愛情を向けてくる相手、それは架空請求みたいなものですから、騙されてはいけないと警戒し、危険から自分を遠ざけるため、近寄ってくれば「来るな!」と威嚇もします。


愛情を向けられること、他者と親密になることへのこのような恐怖や警戒心によって、人間関係をうまく築けなかったり、回避依存などのコミュニケーション障害に陥るケースもあります。

 

無条件の愛情を知らずに育ったアダルトチルドレンは、他者からの好意を警戒し、威嚇する

 

ACの「厄介な怒り」を解消するステップ

「自分はACだ」と自覚して、自己奪還のステップを進めていくうちに、気づいたら「厄介な怒り」から自由になっていたということがよくあります。たとえ否定的な感情が湧くことがあっても、もうそれは制御不可能なものではありません。

 

前提条件:自分を知り、認めること

ACの「厄介な怒り」には原因がありました。原因があるということは、もちろん、対策もありますし、それはいたってシンプルです。
ただし、この段階の自分のことを理解してください。自分を否定しないで、受け入れてください。

自分への相手の好意や高評価に「ムカムカ」「モヤモヤ」しがちなACの特徴として、成長過程で十分に得ることができなかった、親から受け入れられ、肯定されることへの未練や渇望があります。欲したものを与えてくれない毒親に失望する一方で、未だに期待もあるのです。そのため、毒親とわかっていても離れることができません。毒親以上に社会的・経済的・身体的なパワーを持ったとしても、支配や影響から抜け出せないのはこのせいです。
今、屈しているとしても、それは仕方がありません。けれども、いつまでも今のままではありません。勇気と希望を持って進みましょう。

 

「自己奪還の5つのステップ」

リアルトレジャーのACカウンセリングで行う「自己奪還の5つのステップ」のうちの最初の3つが大切です。

 

①自分の人生は自分のものと気づくこと
②毒親を正当に評価すること
③毒親から離れること

 

順番はどれからでもいいのですが、この3つをクリアできた頃には、この「厄介な怒り」からすっかり自由になっているはずです。言い換えれば、3つのステップを経て、毒親との依存関係・支配関係は解消に終止符を打つということ。そして、毒親の人生への影響がなくなった=解毒された、洗脳から解けた、という状態になれるのです。

 

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