毒親4タイプ診断「もしかしてアダルトチルドレン(AC)?」と思ったら3分でわかるセルフチェックリスト

「毒親」は、子どもを支配し、傷つけ、ときには搾取する親を指します。この言葉がポピュラーになって、毒親の悩みを抱えてカウンセリングに来る方も増えてきました。毒親は、子どもが大人になってからも人生に暗い影を落とすのです。

ここではあなたが毒親に育てられたアダルトチルドレン(AC)なのか、そして両親がどのタイプの毒親――カウンセリングで見られる代表的な4タイプ――かを診断します。「自分は毒親かもしれない」と思う場合もチェックできます。

 

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アダルトチルドレン(AC)とは

アダルトチルドレン(AC)は、問題を抱えた機能不全家族で毒親に育てられ大人になった人たちです。親から身体的・精神的なサポートを十分に得られず、肉体的・精神的・性的な虐待を受けたことにより、健やかな情緒の発達を妨げられて育ちました。その体験が、自分のことを大切だと思えない、偏った考え方や強いこだわりから抜け出せない、人間関係をうまく築けない、罪悪感や自責の念に苛まれるといった悪影響を及ぼします。これが生きづらさの原因です。もしあなたが大人になってからも

 

「親の存在が重い……この家から離れたい……」
「自信がない。物事を自分で決められない、選べない」
「幸せになってはいけないような気がする」
「生まれてこなければよかった」
「この気持ちは、誰にもわかってもらえない」
「違う親ならよかったのに」

 

こういった生きづらさを感じているならば、もしかしたらあなたは、機能不全家族で育ったAC=毒親育ちかもしれません。

 

ここでは短い質問に答えるだけですぐにわかるチェックリストをご用意しました。機能不全家族で育ったACの可能性、そして、どんなタイプの毒親に育てられたのかを診断してみましょう。

 

機能不全家族チェックリスト

AC(毒親育ち)傾向を判定

「育てる」という役割を両親が果たさない家で、子どもは健全に「育つ」ことができません。さらに、子どもは親の役割を代行して担わされることになります。このような役割を果たさない=機能不全が起きている家では、親と子が共依存関係になります。これがACが生まれ育つ「機能不全家族」です。機能不全家族では、次のようなことが起きています。

●機能不全家族で起こりがちなこと
・ギャンブル・アルコール・薬物などへの依存
・破たんした夫婦関係、DV・ケンカ・暴力がある
・失業、経済不安、生活の困窮
・長期間の病気や療養生活、家族の介護や看護
・不在(仕事や趣味、宗教など家庭外での活動で多忙)など

 

このチェックリストでは、現在のあなたにどのくらい機能不全家族で育った影響が残っているかを診断します。

次のチェックリストであなた自身にあてはまる項目はいくつありますか?

 

01. 愛情が感じられる家族の温かい思い出がない、あるいはわずかしかない
02. 友人や交際相手の家庭が温かく仲がよいことを羨ましさ、妬ましさを感じた
03. 自分の意思より親や家族の意向が優先された
04. 家庭の空気は緊張感が漂うことが多く、自室でもリラックスできなかった
05. 相手の顔色をうかがったり、気を使いすぎて人間関係で疲れやすい
06. イジメやタカリなど悪意をもって近づいてくる人に狙われやすい
07. 家庭内に人権やプライバシーなど存在しなかった
08. 親、または家族から苦痛を与えられたが、
  傷つけた本人にはその自覚がまったくない

09. この両親のもとに生まれたことに違和感・嫌悪感・罪悪感を抱いている
10. 自分のことを誰にもわかってもらいないという失意や悲しみ、諦めがある

 

5つ以上当てはまる人は、【機能不全家族】で育った可能性が極めて高いといえます。また、このチェックリストに該当する項目があった場合、育成過程で機能不全家族の影響を受けた可能性があります。
機能不全家族、なぜ親が毒親になるのかついて、次の記事で詳しく解説しています。
機能不全家族で失われる“自分”~毒親とACの共依存

 

もし現在も、親・家族との関係に疑問を持ち、自分自身への否定的な感情や生きづらさを抱え続けているならば、【アダルトチルドレン(AC)】の傾向が強いと考えられます。
ACの特徴について、次の記事で詳しく解説しています。
アダルトチルドレン(AC)が“自分”を取り戻すために

 

カウンセリングでよくみられる4タイプの毒親

心理カウンセリングでよく見られる、子どもへの要求や言動が異なる4タイプの毒親「①支配型(過保護・過干渉)」「②不在型(ネグレクト)」「③虐待型(DV・モラハラ・夫婦関係の破綻)」「④搾取型(搾取子・愛玩子)」についてチェックリストを作成しました。

 

4タイプのいずれかでなく、複数のタイプが混ざった混合型の毒親のケースもあります。また、支配型の母親と不在型の父親、虐待型の父親と不在型の母親というように、両親が異なるタイプの組み合わせもよく見られます。父親と母親を別々に分けてチェックすると、家庭で起きていたことや家族のイメージがより明確にわかります。

 

毒親タイプチェック【1】支配型

子どもをマインドコントロールで束縛して
独立を許さない過干渉・過保護な毒親

マインドコントロールで絶対的な「親(支配)-子(服従)の絆」を築き、自分が幸せを実感するために子どもの人生を自分の思いどおりに操ろうとする毒親です。
愛情や躾と称して、「~するな」「~しなさい」と頭の先からつま先まで口を出す過干渉な親も、何事も先回わりして世話を焼く過保護な親も、子どもに意思決定を許さず、人生を奪う点では同じです。親の意のままに動く子か、自立できない子に育て、親から離れられないよう束縛するのです。

 

次のチェックリストであなたの親にあてはまる項目はいくつありますか?

 

01. 「わたし(親)が選ばないとダメね」と子どものセンスや好みを否定する
02. 不条理なことも「おまえのためだ」と主張する
03. 服装、髪型、持ち物まで親から厳しく指定される
04. 友人や交際相手について文句を言ったり、交際を妨害したりする
05. 親が決めた進路に子どもが逆らえないように先に手回ししてお膳立てする
06. 子ども部屋を家探ししたり、子どもの私物を勝手に処分する
07. 親の意に沿わない行動について「あのときこうした」と何年も責めたてる
08. 外出時は行き先、用件、同行者、帰宅時間など細かく聞かれ、
  途中、電話がかかってくる

09. 結婚相手について反対し、親が決めようとする
10. 手紙や日記、友だちとのメッセージのやりとりを検閲する

 

3つ以上当てはまる人の親(父・母いずれか、または両方)は、【支配型毒親】の傾向があるといえます。

支配型毒親の特徴・マインド・毒性・生まれる理由については、次の記事をご覧ください。
支配型毒親の解説ページ

 

毒親タイプチェック【2】不在型

条件付きの愛情を利用して親の責任を果たさない
育児放棄(ネグレクト)する毒親

愛情や安心感で満たし、衣食住や健康を保障するといった成長する子どもへの責任を放棄して、自己都合を優先する毒親です。親の手を煩わせず、一人でいることを子どもに求め、突き放します。
「子どもの自立を促す」といった教育方針などでは決してありません。家庭外での自己実現、あるいは現実逃避で頭がいっぱいで、子どもに手が回らないのです。子どもは拒絶する親から愛を得ようと懸命の努力しますが、報われることはまれ。毒親が「条件付きの愛情」で見返りを求めるときしかありません。

 

次のチェックリストであなたの親にあてはまる項目はいくつありますか?

 

01. 幼い頃から日常的に、一人、またはきょうだいと、
  子どもだけでお留守番する時間があった

02. 親は仕事や趣味、ボランティア、宗教などで忙しく、いつも不在がちだった
03. 親が精神的に病んでいるか、重いストレスがある
04. 「たいへんなの」と日常の愚痴や不満、世話をできない言い訳を  

  子どもに聞かせる
05. 「忙しい」「具合が悪い」と言い訳して、子どもに家事を手伝わせる
06. 子が親を労り、慰め、励ますが、その逆はない
07.「あとにして」「あっちにいってなさい」と子どもを追い払う
08. 家族や他人から子どもが虐待されていても、見て見ぬふりか、
  その場を離れてしまう

09. 相談しても耳を貸してくれない、あるいは初めは聞いても中座する
10. 抱きしめられたり、手をつないだりした記憶があまりない

 

3つ以上当てはまる人の親(父・母いずれか、または両方)は、【不在型毒親】の傾向があるといえます。
不在型毒親の特徴・マインド・毒性・生まれる理由については、次の記事をご覧ください。
不在型毒親の解説ページ

 

毒親タイプチェック【3】虐待型

暴力やモラハラで子どもをねじ伏せて
劣等感やフラストレーションを解消する毒親

小さく非力な相手を圧倒的な力でねじ伏せることで、自分の劣等感やフラストレーション、社会でのストレスを解消する毒親です。この家に平和はありません。
子どもは「幼く傷つきやすい親の保護を必要とする尊重されるべき一人の人間である」という意識が欠落しているため、衝動のままロックオン。思いどおりに蹂躙することで征服感を味わい、支配欲を充足させます。毒親による虐待が家族の秘密として守られる一方、虐げられた子どもは成長後もトラウマ(PTSD)に苦しむのです。

 

次のチェックリストであなた自身にあてはまる項目はいくつありますか?

 

01. 些細なことですぐキレるが、そのタイミングや理由が不明で、
  主張に矛盾が多い

02. 暴力や暴言で「○○しないとこうなるぞ」と脅かす
03. 暴力や暴言を「おまえが悪い」と子どもや配偶者に責任転嫁する
04. 虐待を愛情や教育だと正当化し「なぜそれがわからないのか」と
  さらにキレる

05. 両親が不仲で、激しい口論や大きな物音が伴う夫婦喧嘩が頻繁にあった
06. 子どもが楽しんでいると機嫌が悪くなり、
  それを貶したり、取り上げたりする

07. 家族や他人への恨み、妬み、憎しみ、怒りの感情を子どもにぶつける
08.「黙って聞け」「我慢しろ」ばかりで、話し合いにならない
09. 自分のことを特別な人間だと思っている
10. 外面がよく、家庭外での評判はいい

 

3つ以上当てはまる人の親(父・母いずれか、または両方)は、【虐待型毒親】の傾向があるといえます。
虐待型毒親の特徴・マインド・毒性・生まれる理由については、次の記事をご覧ください。
虐待型毒親の解説ページ

 

毒親タイプチェック【4】搾取型

罪悪感と扶養義務を駆りたてて
労働力もお金も吸い尽くす子どもを奴隷する毒親

子育てを投資と考え、奴隷に育てる毒親です。子どもは幼い頃から「親の道具」として、留守番や家事、育児・看護・介護、ときには現金収入を得る労働を強いられます。いわゆる「搾取子」です。
毒親は、「育ててもらった恩」と「家族の絆」で子どもの罪悪感と扶養義務を駆りたてて、全力で子どもにすがりつき、ヒト(労働力/人脈)・カネ・モノを吸い尽くします。搾取型の毒親にとって、子どもは親の一部。子どもを親と分離した一人の人間として見なしていません。子どもを手足として使って当然なのです。

 

次のチェックリストであなた自身にあてはまる項目はいくつありますか?

 

01.「もう○歳だから」「男(女)の子だから」何ができて当たり前と
  家事に協力させる

02. 親やきょうだいの面倒をみるのは、子どもの務めだと言い聞かせる
03. 幼い頃から「家族の絆」や「育ててもらった恩」を子どもにくり返し話す
04. 親やきょうだいに「譲れ」と物を取り上げられた
05. 家計や家族の問題を子どもに相談したり、愚痴を言う
06. 親には子どもの所有物をいかようにもできる権利があると思っている
07. きょうだいのどちらかだけを贔屓するなど扱いに隔たりがあった
08. お金のかかる学校や習い事、趣味を反対された
09. 親やきょうだいのために、子どもの所有物や資金の供出を求める
10. 子どもに家計負担や仕送り、借金の返済を求める

 

3つ以上当てはまる人の親(父・母いずれか、または両方)は、【搾取型毒親】の傾向があるといえます。
搾取型毒親の特徴・マインド・毒性・生まれる理由については、次の記事をご覧ください。
搾取型毒親の解説ページ

 

毒親を知ることが自己奪回の第一歩

ACの生きにくさや人間関係の不具合は、毒親によって刷り込まれたマインドによるものです。幼少期からの長きにわたって、毒親は子どもに「こうするべき」「こうしてはいけない」といった信条や価値観、思考と行動の癖やパターンなどを刷り込んでいきます。それが現在、ACに起きている問題や生きづらさの核となっているのです。

 

ACカウンセリングでは、毒親にどのようなマインドを刷り込まれたかをよく理解したうえで、今、人生を難しくしている行動、思考の癖を修正していきます。なぜこんなふうに感じたり、衝動的になったりするのかを納得し、自分を受容し、承認する、そして、過剰な自己否定を止めることができます。

 

毒親を理解することは、自分を理解することです。恐れずに、少しずつ向き合っていくことが、本来の自分を取り戻す第一歩になります。

 


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・子ども時代に機能不全家庭で演じていた役割
 その役割からどんな影響を受けているのか

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