アダルトチルドレンはどうしてヘンな人に絡まれやすいのか<後編>

<前編>では、毒親育ちの人がヘンな人から絡まれやすい、騙されやすい、三つの理由について考えてきました。あなたが振り返って、思い当たるところはありましたか。「あった」とすれば、あなたがご自分の傾向に気づいたということです。この気づきは、今まで何の疑いもなく信じることをやめて、嘘を見抜いて「それは嘘だ」と拒絶する基盤になります。
ではさっそく「どうしたら理不尽な相手のターゲットにされずに済むのか」考えていきましょう。
絡んでくる相手も実はアダルトチルドレン
<前編>も取り上げた、福岡5歳児餓死事件で母親Iを洗脳し、事件の関与があったとして逮捕されたママ友A。
ママ友Aのようなタイプこそ、毒親育ちの人を傷つけ、苦しめる「絡んでくるヘンな人」です。嘘つきで、図々しく、強欲で人を妬み、他人の物を欲しがります。Aのように高圧的な支配者タイプもいれば、逆に、外面がよく、むしろ控えめでしおらしいタイプもいます。いずれにせよ、おなかの中は一緒。人を支配し、搾取してやろうというどす黒い願望が渦巻いています。
毒親育ちの人は、<前編>で挙げた三つの理由から「絡んでくるヘンな人」たちの嘘が見抜けません。妙な提案を受け入れてしまいます。Iは、その最悪のケースです。本人ばかりか、自分の大切な人にまで被害が及びます。
実は「絡んでくるヘンな人」も毒親育ちなのです。ママ友Aの場合もそうでした。報じられている内容によれば、経済的に困窮し、近隣とは詐欺まがいの金銭トラブルを起こし、それが絶えない家庭で育ったものの、明るい性格でクラスでは人を笑わせるムードメイカーだったとか。しかし、両親は借金しては踏み倒すことをくり返し、祖父母を置き去りにして一家で夜逃げしたほか、成人後も人生の長い期間、借金と返済に追われる暮らしでした。
「私をわかって!愛して!」という心の叫び
Aも人間関係の不安を幼少期から払拭されずに育ったことはまちがいありません。Aもまた、その不安を
①迎合(相手に近づく)
②攻撃(相手に対抗する)
③ひきこもり(相手から離れる)
で解決しようとしたはずです。
借金トラブルを抱えた両親や経済的な困窮を受け入れる、また明るいムードメイカーという面から、Aも①迎合を経験しているようです。本来なら三人兄弟の末っ子のAは可愛がられて育ったでしょうが、おそらく金銭トラブルのくり返す両親に、そんな余裕はありません。振り向いてくれない両親に「家もお金に困ってるかもしれないけど、無力な子どもの私も困ってるの!わかって!」という心の叫びが聞こえてきそうです。
Aを支配しているのは、こんな心の叫びです。与えられない愛情、その代償となる大切なものを、「得られないなら他人から奪う」という手段に転じるのもまた自然のなりゆきです。実際、両親が他人から奪う姿を見ているはずですから。親から愛情をもらうことを諦め、嵐が過ぎ去るのを待つ③ひきこもりでなく、②攻撃によって、他人から奪うことを選び、あるいは選ばされ、学びとったのです。
残念ながら「絡んでくるヘンな人」は、他人からどんなに多く奪ったところで、満たされることがありません。なぜなら、奪ってでもほしいのは母親との愛着なので、他人の愛では親の代わりにならず、時間も戻せないからです。奪い続ける限り、愛情の飢えと渇きが続きます。
「騙して奪う」知恵
毒親・毒家族育ちであるAは、①迎合も③ひきこもりも経験しています。つまり、毒親育ちの人の「そういうもんなんだ」と納得し「ノーと言えない」心理をわかっています。それは、頭で理解しているというより、体が覚えているという感じです。
たとえば、一度自転車に乗れるようになった人は、しばらく自転車に乗っていなくても、乗ってしまえば自然に手がハンドルを握り、自然に足はペダルを踏みます。同じように、対話の要所要所で、嘘や脅かし、ときには泣き落としが自然と口から出てくるのです。
高圧的、支配的なAとは異なり、外面がよい、むしろ控えめでしおらしいタイプなら、手法はさらに巧妙です。
「私がいたら、迷惑だよね」と言いつつ接近しますが、もちろん「そんなことないよ」と相手が言ってくれることは織り込み済み。「いいな~、それ、私も参加してみたいな~」と相手の話にふわりと乗ったら、「この子は初めてだから」とターゲットとなる相手の同情心や庇護欲をかきたて、面倒を見させたり、金品を提供させるよう、巧みに仕向けます。まるで、ヨシキリの巣に托卵するカッコウのようなものです。ヨシキリの産んだ卵は巣から落として捨て、かわりにカッコウは自分の卵を産み落とします。そうとは知らないヨシキリはカッコウの卵を温め、ヒナが孵れば必死に保護し、献身的に世話をして、育てます。巣立ったあとさえ、気づきません。
つきあったらダメな相手を見抜く方法
嘘は行動に現れる
いずれのタイプの「絡んでくるヘンな人」であっても、「おかしい」と思ったとき、嘘を確認するポイントがあります。
それは「行動が伴っているか」です。
「絡んでくるヘンな人」は口(言葉)で人を支配しようとします。「参加したい」に対して、「いいよ! じゃあ参加費1万円ね」と言われ、もし本心なら払うか、お金がなければ「高いから払えない、ごめん」でしょう。しかし、「絡んでくるヘンな人」の場合、逃げるか、誰かに払わせるのです。参加したいと言っているのに、おかしなことです。なぜなら「参加したい」は嘘で、別の目的があるということ。その目的は、ターゲットを支配するために陥れることです。
福岡5歳児餓死事件のママ友Aのように、理由をつけてお金を要求してくる場合も同じです。「それなら、折半で払いましょう」「あなたはいくら払うの?」という反応に、引く、逃げる、脅かすなどして自分は行動しない、相手に行動させようとするなら、相手の言っていることは100%嘘と見て間違いありません。
嘘とわかれば、もう信じる必要はありません。
直感にゆだねてみる
とはいえ、自分の本音を語ることが少ないか、ほぼできない毒親育ちの人にとって、言葉で対抗するというのは難しいかもしれません。
そんなとき役立つのが「直感」です。
毒親育ちの人だって「この人、ヘンだ」と感じているはずなのですが、イヤな相手とも我慢してつきあわなければいけないという考えがどこかにあるのではないでしょうか。これは、<前編>で挙げた三つの理由のひとつ「不安や恐怖は迎合することで回避」しようとする傾向です。そのため、ズルズルそばにいることになりがちでしょう。イヤな相手とつきあう必要はないし、つきあう相手は自由に選べる、と頭で理解していても、「どうやって?」が思い浮かびません。
そこで「直感」の出番です。
どちらかやりやすい方法でいいです。もちろん、両方できれば最高です。
●イヤだと感じた相手から離れる
●イイと感じた相手とだけつきあう
このとき「イイ、イヤ」の判断を、直感に働いてもらうのです。
理屈や常識、これからのこと、義理やつながりといった一切は考える必要ありません。あなたの知識や思考よりも、直感のほうが、あなたのこと、あなたにとって害になる人、あなたの助けになる人について正確に判断してくれます。
長い間、自分のやりたいこと、自分を楽しませること、自分の五感が喜ぶことから我慢させられたり、諦めたりして、遠ざかっている人は、直感が働きにくかったり、直感を働かせることに抵抗を感じるかもしれません。
直感を磨きあげる最高のシャープナーが、ご自分の【好き・ワクワク・楽しい・気持ちいいこと】です。ぜひ、これらの幸せをコレクションしてください。
コレクションのやり方は
のどれかを試してみてください。
まとめ:逃げるは恥だが役に立つ!
「絡んでくるヘンな人」に気づいたら、何はともあれ、すぐ逃げることです。つきあわなければ、被害にも遭うこともありません。そのためにも、普段の幸せコレクションで直感を養いましょう。
幸せコレクション。「絡んでくるヘンな人」に遭ったら、すぐ逃げる。
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くり返すうちに、自分の幸せに敏感になってきますから、安全地帯も見つかりますし、自然に幸せになってしまいます。すると、毒親育ち特有の悩みや生きづらさが軽くなっていき、やがて、そこから自由になります。
そのとき、あなたはすでに、ヘンな人に絡まれないし、騙されることも、ターゲットにされることもない自分になっていることに気づくはずです。他人の顔色をうかがわない、他人がどう思うか気にならない、自分軸をしっかり持った人になれます。
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[AC/毒親チェック]
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