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毒親が毒になる理由~機能不全家族とアダルトチルドレン(AC)

「育てる」という役割を両親が果たさない家で、子どもは健全に「育つ」ことができません。さらに、子どもは親の役割を代行して担わされることになります。このような役割を果たさない=機能不全が起きている家では、親と子が共依存関係になります。これが「機能不全家族」。幼く非力ながら、機能不全家族に適応して生き抜き、成長した子どもが「アダルトチルドレン(AC)」です。

 

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親子が共依存に陥る「機能不全家族」とは

家族が機能不全になる原因

・ギャンブル・アルコール・薬物などへの依存

・破たんした夫婦関係、DV・ケンカ・暴力がある
・長期間の病気や療養生活、家族の介護や看護
・不在(仕事や趣味、宗教など家庭外での活動で多忙)
・失業、経済不安

 

これらのいずれか、あるいは複数の問題がある家庭は、機能不全に陥ります。

 

親がストレスを抱え、緊張していて不幸そうであるとき、子どもはたやすくそれを「自分のせいだ」と勘違いして親の役割を担おうをし、親は子どもに託します。こうして共依存関係に陥ります

 

●機能不全のリスクが高い家庭
・頻繁に、すぐ怒りを爆発する家族がいる
・心の交流やスキンシップに欠けた冷たい愛のない家
・子どもをきょうだい間、あるいは他人と常に比較する家
・子どもがやることなすこといちいち非難される家
・大きすぎる期待や高すぎる理想で子どもがどんなに努力しても認められない家
・家の資産や家族の仕事、出身校などスペックだけが重視される家
・世間体を非常に気にするうわべだけを繕う家
・親子の関係が逆転している家
・嫁姑など世代間でひどい確執がある家
・拡大家族(多世代同居)や家業の経営

 

親の役割

親には子どもの身体的なニーズ、精神的なニーズ、社会的なニーズを充足する義務と責任があります。スーザン・フォワードは著書『毒になる親』のなかで、次のようにわかりやすく述べています。

 

1. 親は子供の肉体的なニーズに応えなくてはならない。

 (衣食住・体の健康に必要としていること)
2. 親は子供を、肉体的な危機や害から守らなくてはならない。
3. 親は子供の精神的なニーズに応えなくてはならない。

 (愛情・安心感、常に注目していることなど、心の面で必要としていること)
4. 親は子供を、心の面でも危機や害から守らなくてはならない。
5. 親は子供に道徳観念と倫理観を教えなくてはならない。

 

機能不全家族では、子どもがこれらのニーズを親に満たしてもらうことができないため、自分でどうにかしなければなりません。さらに、子どもは親のニーズに応えることまで要求されるのです。

 

機能不全家族の特徴:
共依存を支える「歪んだシステム」

さまざまな原因の不具合によって、家族としての機能が正常に働かない家庭を運営するための「歪んだシステム」が、どの機能不全家族にも共通してあります。この歪んだシステムによって家族の共依存状態が維持されるのです。

 

(1)歪んだマインド

家族固有の考え方の基本となる、信念です。価値観、倫理観、教育観、職業観、金銭感覚や人間関係の考え方、よい・悪いの判断、態度や言葉遣い、行動パターンなどの元になっています。その家で「親が子どもにどういう姿勢で向き合うべきか」「子どもはどのようにあるべきか」という考え方は、もちろん家ごとに異なります。
機能不全家族では「親が中心」で、子どもは尊重されません。「親はいつも絶対に正しい」「子どもはどんなことでも親に従うべき」といった家族固有の歪んだマインドが働いています。代表的なものでは「しゃべるな、感じるな、信じるな」があります。
こうして親から継承した歪んだ信念・価値観に大人になってからも囚われ続け、ACを生きにくく、苦しめることになるのです。

 

(2)歪んだルール

マインドが「憲法」ならば、それに則って細かく定められるルールは「法律」です。「門限は○時です」「家族が誕生日の夜は、みんなで祝いましょう」といった、それぞれのルールには裏側にメッセージがあります。門限は、子どもの安全な社会活動を守るものであり、家族の誕生日をみんなで祝うのは、家族の成長と健康を祝福しあい、楽しいひとときを家族で共有したいという願いが込められています。

機能不全家族では、歪んだルールがあります。
「学校から帰ったら親の手伝いをしなさい」「テストで○点以上をとりなさい」といったルールは、一般的かもしれません。機能不全家族ではこの裏に「さもなければ愛してあげません」「いつも親の思いどおりに動きなさい」といった、メッセージがあるのです。子どもたちはこのメッセージを読み取り、要求に従うことになります。

 

(3)家族の歪んだ絆

家族は、独立した子どもたちは「いつでも帰れる場所」であり、その絆は理解しあい支えあう心のつながりですが、機能不全家族でのそれは、歪み固められたものです。家族は「離脱することが許されない場所」であり、絆はさまざまな問題を抱えた家族を理解し支えるために事実を否認する心のつながりです。

たとえば、「お父さんは殴るけど、仕事で忙しくてストレスを溜めているってことをわかってあげなくちゃいけないんだ」。「僕がもっといい成績をとったら、あんなにお父さんが荒れることもなくなるはずだ」といった形で。この絆は、永久不滅です。このドラマは終わりませんし、やめることも離れることも、許されていません。

 

(4)秘密主義

地域や子どもの同級生家庭など、ほかの家族との交流が少なく、機能不全家族の様子は外部になかなか伝わってきません。家族の暴力や夫婦の不仲、依存症やギャンブル癖、失業や経済的な困窮などが家庭の外に漏れ伝わることのないよう、厳重な箝口令が敷かれており、他者の介入を許しません。閉ざされた環境で、問題がさらに深刻化しても、子どもたちは「しゃべってはいけない」のです。

 

子どもが親の役割を肩がわりする
「アダルトチルドレン(AC)」とは

ACは、家庭を維持するために、親に代わってその役割を担うことを強いられます。そもそも子どもにそんな力はありません。その努力は過酷で、ときに残酷だったはずです。ところが、育つ過程で「これが当たり前なんだ」と信じ込むようになります。つらかった記憶をよく覚えていなかったり、できごとの記憶はあってもそのときの気持ちを思い出せなかったりします

これは、子どもたちが機能不全家族に適応した結果といえます。いったい幼い子どもたちは、どのように生き抜いてきたのでしょうか。

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●アダルトチルドレン(AC)という言葉が生まれた背景
「アダルトチルドレン」の概念は、1983年に機能不全家族に関するセラピーの第一人者、ジャネット・ウォイティツの『アダルト・チルドレン・オブ・アルコホリックス』(邦題『アダルト・チルドレン―アルコール問題家族で育った子供たち』(金剛出版/1997年))がミリオンセラーになったことで広く知られるようになりました。
当初は、1970年代からアメリカで問題になっていた、アルコール依存症の親と共依存の配偶者に育てられた子どもたち、ACOA(Adult Children of Alcoholics)を指す用語でした。現在は、アルコール依存症のみならず、身体的・精神的・性的な虐待があった機能不全家族で育った子どもたち、ACOD(Adult Children of Alcoholics Dysfunctional family/アダルトチルドレン・オブ・ディスファンクショナル・ファミリー)も含めACと略されています。

 

親の歪んだマインドを取り込む

機能不全家族で親から「歪んだマインド」を受け継いでACは育ちます。歪んだマインドは、子どもに自分の気持ちをそのまま表現したり、行動することをつねに禁じるものです。


一般家庭でも、子どもに自分の感情を押し殺しているように命じて躾けることは、珍しくも特別でもありません。子どもは「【こういう場所にいる今は】黙って、フラフラ立ち歩いたりせず、いい子にしていなければならない」ことを学び、それを身につけていきます。
機能不全の家庭が一般の家庭と異なるのは、子どもが【家庭にいる間ずっと毎日】それを続けなければならないという点です。いちばん伸び伸びとリラックスできる場所であるはずの家で、子どもたちは終始、緊張をゆるめず警戒態勢でいなければなりません。


その結果、子どもは感情を表現することも、感じること自体もやめてしまいます。自分をワクワクさせる喜びや楽しさを感じることも、ワクワクすることを求める気持ちもこうして失われます。一般家庭の子どもがワクワクすることに夢中のとき、親に甘えて可愛がられているとき、機能不全の家庭の子どもは「当たり前のように」親の期待に沿うべく励んでいます。勉強やスポーツ、習い事の上達、あるいは親に言いつけられた家事や家族の世話に。「いい子でなければ、存在することを許さない」親の歪んだマインドが、子どもを励むよう駆りたてるのです。

 

本来の自分でない役割を演じて生きる

家庭を機能不全にさせている原因や問題によって、親がストレスを溜めていたり、幸せそうに見えないとき、親を助けるために、家族がうまくいくように、子どもは本来の自分とは別の役割を演じることが知られています。親の歪んだマインドを取り入れた子どもは、親のストレスや不幸を「自分のせいだ」と信じ込んでしまうためです。


「私はアダルトチルドレンである」とカミングアウトしたことが話題になったビル・クリントン元大統領の場合、両親の仲が険悪で、DVもある争いの絶えない家で育ったといいます。彼が優秀な成績を修めたときだけは、平和が訪れる、そのため、親を喜ばせる「いつも優等生であること」を自分に課していたといいます。また、優秀な子どもの存在は、両親の不仲やDVといった問題を世間の目から遠ざけることにも一役買います。
「ヒーロー」と呼ばれる役割を演じる子どもは、家族を暴力や破綻から救うため、「できない」「疲れた」と言えず、猛烈に努力しすぎて、しばしば燃え尽きてしまいます。こうした子どもの頃に演じた役割の影響は、大人になったACにも色濃く残ります。

 

機能不全家族を生き抜いた満身創痍のサバイバー

暴力、虐待、争い、冷たい孤独など、誰にとっても衝撃的でつらい体験です。健やかに情緒を育てるために必要な親からの愛情や承認、スキンシップを十分に得られないまま、幼い子どもが日夜そんな体験をしつづける。機能不全家族という過酷な環境は子どもにとってまさにサバイバル。生き抜いて大人になったアダルトチルドレン(AC)も、立派なサバイバーです。


機能不全家族でのサバイバルでは、きっと培ったスキル(幼い頃の慰めになったものなど)もあったことでしょう。ただ、この環境は幼い子どもにあまりに過酷すぎたため、未だに癒えていない痛手や、今もときどき傷む古傷が多く残る、満身創痍の状態です。
サバイバーであるACの注意は、この痛手や傷を受けたときのこと、つまり「親に何をされたか」に向けられ、「怒り」や「憤り」や「恨み」がこみあげてきます。感情が自由に出てくることは大切なことです。ただ、傷のケアも同じくらい大切です。傷を癒すことではじめて、過酷な環境で十分に育てることができなかった自尊感情や健やかな自己イメージといった「自分らしさ」を取り戻すことにつながるからです。

 

アダルトチルドレン(AC)の特徴

ACの情緒や行動について「アダルトチルドレン」の名づけ親ジャネット・ウォイティツは、「5歳のときの情緒と行動が、55歳になっても同じように、突然ひょっこり顔を出すことに気づいて、こう名づけた」と言っています。大人になった今、ACの身に染みついて、日常的に表れる考え方や感じ方、行動には次のような特徴が挙げられます。

 

(1)自己評価が低く、判断に自信が持てない

親や家族からことごとく否定されてきたACは、自分を過小評価しがちです。一人の人間として尊重されるという実感を十分に得ることができなかったため「自分のことを大切だ」と考えることができません。機能不全家族では、不都合な事実の否定・否認をくり返されます。たとえば、親が暴力を振るうことについて、「でもそれは過去のことだし、躾だった。それにあの頃、お父(母)さんがストレスを抱えていることをわかってあげなくちゃいけない」と問題をすり替えて、「親がひどいことをした」という事実を受け入れません。そのため、今起きているありのままの事実をストレートに受け入れたり、把握することができません。考え方や視野が狭くなるため、自分の判断に自信がもてず、物事を自分で決めたり、選んだりできません。そのため他人の意見や評価に依存しがちです。

 

(2)自分の感情や感覚に気づけない

感情を封印することで機能不全家族という過酷な環境に適応してきたACは、「今、自分が何を感じ、どんな気持ちなのか」が麻痺しているため、適切に表現ができません。たとえば、怒りが湧いていたとき、キレやすい人に近づいて怒りを恐れにすり替える、こまめなガス抜きしないで限界まで溜め込み大爆発させるとか、問題を抱えがちです。「好き」「気持ちいい」という感覚も薄いため、楽しむことがなかなかできません。何かヘンだ!という緊張感のアラート(ACは幼い頃からそれに慣れっこだった)に気も止めず、同じ間違いをくり返したりします。

 

(3)相手の期待に応えようとする

親の期待や要望に応えることで生き抜いてきたACは、自分の意思より、相手や周囲の人が期待する行動をしようとします。いつも相手が何を望んでいるのかを察し、周囲からどんな評価を受けるかを気にします。そのため、はっきりした自己主張や「NO」の表明ができません。否定した相手から拒否され、見放されることを恐れるのです。相手に合わせるために自分の思考と異なる小さな嘘を吐き、そんな嘘を重ねるうちに言動の不一致を招いたりもします。

 

(4)自分を虐げ、トラブルや危険に身をさらす

情け容赦のない自己批判をする一方、自分を犠牲にしてまで相手の世話を焼きます。家庭で「安全」を味わうことができなかったACは、家庭と同じような不安定で危険が伴う環境や人間関係を無意識に選んでしまいます。その結果、自ら不幸になる道を選んだり、自分で幸せの芽を摘んでしまうこともしばしば。自己破綻へと自分を追い込んでしまうことも少なくありません。他人の言いなりになりやすく、事件や犯罪にも巻き込まれたり、虐めや搾取、詐欺のターゲットにされたりします。たとえ理不尽なひどい仕打ちを受けたときですら「自分はこれが当たり前なんだ」と納得してしまうのです。

 

(5)物事を極端にとらえ、過剰に行動する

親が絶対的存在だったACにとって、すべての物事は「白か黒か」「善か悪か」の二元論で何事もとらえることが習慣づけられています。その結果、「自分が正しくて相手が間違っている」とか「すべては自分のせいだ」と思い込みます。その結果「全責任を負うかまったく無責任」「妄信かマル無視」といった極端な行動につながります。言われたことに過剰に忠実だったり、自分の手にを得ない事態でひどく混乱し、パニック/思考停止を起こしたりします。過剰な行動の結果、心身のバランスの崩れや自己嫌悪を招きがちです。

 

(6)罪悪感に突き動かされて必死になる

親や家族がうまくいかないのは「自分が悪い、努力が足らないから」と信じ込まされたACは、「自分がもっとがんばれば、状況はよくなるはず」と必死になって尽くします。家族の外での人間関係でも、相手の抱えている問題やチームの問題点でも「自分のせい」と罪悪感が発動。一人で引き受けて、何でもこなそうとするのです。ただし、毒親に逆らう、毒親から離れる行動時にも罪悪感が蘇り、強烈な落ち込んだり、結局、親元に戻ってしまうのです。

 

(7)親密な関係を築くのが難しい

親と共依存関係にあったACは、他人と自分の境界線がはっきりしていません。相手の問題に入り込んだり、相手が落ち込むと自分も凹んだりします。健全な距離感がとれず、愛情を相手にしがみつくことだと思い込む節があります。一途に献身する一方、嫉妬深く、相手を束縛します。「愛されている」という実感を子ども時代に持てなかったACが自分を愛すること、他人を愛し愛されることは至難の業です。密着できる相手をとにかく得たいがために恋愛遍歴を重ねる人、あるいは親密になることを怯えて回避するようになる人もいます。

 

回復のステップは毒親から刻みつけられた
マインドに気づくこと

「毒親」に育ったこと、自分が「アダルトチルドレン」だったこと、その事実は残念なことでしたが、気づかなければ、何も始まりません。「気づくこと」が回復の第一歩になります。

 

自分は毒親から、どんなマインドを刻みつけられ、どんな体験によってどれだけ傷けられ、それが現在の、考え方や感じ方、行動のパターンにどう影響しているのか。それを理解することで初めて、習慣づけられてしまった癖を修正していけるのです。

 

同時に、自分は親とはまったく違う「一人の人間」で、自分には親とはまったく違う「自分の人生がある」という意識を強く持つことも大切です。
向き合うことを恐れないで、自分のことを理解していきましょう。

 

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