どうしても眠れないあなたへ~安眠・快眠のためのTips~

▼おすすめ記事⇒安眠のための食生活

 

「日曜の夜、眠れないのはあなただけじゃない!」を日曜・祝日・休日に読んでしまった方が、今、自分に対してできることは、眠ることを考えることをやめてあげることです。「眠れない」という焦りや罪悪感のほうが、今のあなたの健康にはよくありません。

 

睡眠負債はたしかに問題です。けれども、ごはんを一食くらい抜いてもわたしたちは死にませんね。同じように、数日くらいなら寝なくても、大丈夫です。ホメオスタシスによって、いずれ、絶対に眠らざるを得ません。わたしたちの身体はそんなふうにできています。自分の身体を信じてあげてください。いずれ、どこかのタイミングで必ず眠れるので大丈夫です。眠くなったとき、眠りましょう。

 

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コロナ不眠
スリープ・ドクターの4つのアドバイス

コロナ禍での新しいライフスタイルによって、アメリカでは不眠を訴える人が56%も増えたと、アメリカのCBSニュースが2021年7月に伝えました。


睡眠のスペシャリストの心理療法士で「スリープ・ドクター」ことマイケル・ブレウスは、不眠が増えた原因について
①活動の量と時間の減少
②予定・イベントの減少
③カフェイン摂取量の増加
④お酒の摂取量の増加
の4つを上げています。活動領域が狭められ、エクササイズの機会の減少、また、リモートワークが増えたことで、決まった時間に通勤や外出をするといった機会が少なくなったことで、生活のメリハリがなくなりました。このため体内時計(サーカディアンリズム)と整えることが非常に難しくなったこと。加えて、おうち時間で摂取量が増えたカフェインとお酒が体内時計のリズムを崩しているといいます。

 

体内時計を整える

「この4つを守れば、不眠状態は確実に改善する」とマイケル・ブレウスがお薦めするアドバイス。試してみる価値は大アリです。

 

①睡眠スケジュールの調整
 起床は5:30~7:30
 就寝は23:00~24:00

バラバラになっている起床・就寝時刻を固定します。朝型・夜型・中間型など個々が生まれ持ったクロノタイプ(chronotype/体内時計の指向性)ごとに適した睡眠スケジュールには誤差があります。スリープ・ドクターが勧める睡眠スケジュールのもっとも早い朝型タイプともっとも遅い夜型タイプを比較すると、起床時刻は5:30~7:30、就寝時刻は23:00~24:00の時間帯です。夜型であっても、この時間帯だということに注目してください。ヒトは深夜まで起きていれば、サーカディアンリズムそのものを破壊してしまうのです。ちなみにパソコン・スマートフォンの電源オフのタイミングは22:00~23:30が推奨されています。

 

②意識して活動的になること
 1日20分以上屋外でエクササイズ

外に出て、しっかり太陽の光を浴びて歩き回るなど、あえて身体を動かす時間をつくること。この習慣は、あなたのサーカディアンリズムを確実に整えてくれます。

 

③カフェインの摂取は14:00まで

日本で「コーヒーブレーク」「ティータイム」といえば15時頃、仕事中のデスクに1日中お茶やコーヒーのカップや湯呑みが置かれている人も多いでしょう。意識せずに、ついつい口にしてしまうことが多いかもしれません。
ただ、あなたが「横になってもなかなか眠れない」寝つきが悪いタイプなら、改善されるまでは14:00以降のカフェインは控えることが無難です。体内に摂取されたカフェインの作用は6~8時間後まで続きます。

 

④アルコールの摂取は布団に入る3時間前まで

傍から見れば似ているかもしれませんが、「入眠すること」と「酔いつぶれること」はまったく違います。睡眠サイクルと整えるうえで「酔いつぶれること」は絶対に避けるべき行動です。ですから、飲酒は、少なくとも就寝時間の3時間前までにしておきましょう。最高のコンディションでベッドへ向かってください。

 

眠れないときのTips01
「羊が1匹、羊が2匹……」は英語で唱える

もともと英語圏の眠れないときお呪い「one sheep, two sheep, three sheep……」なので、日本語で唱えても意味がありません。むしろ最初の「イッピキ」の唇への刺激で目が冴えてしまうのではないでしょうか。

sheepがsleepと似ているので脳に「sleep, sleep……」と自己暗示をかけるとか、牧羊の発祥地、イングランドののどかな田園風景をイメージするとか、「しぃ~ぷ」と呼気を長く出すことで副交感神経を優勢にするとか、そういう効果はあるようなので、ぜひ英語でどうぞ。ちなみにsheepは複数形もsheepです。

 

眠れないときのTips02
自然に眠りにつけるのは起床から16~18時間後

普段の睡眠負債を返済しようと、週末はゆっくり10時ごろまで朝寝したとしたら、もうその日のうちには眠れません。
眠気は、神経伝達物質アデノシンが体内に十分量が溜まることで誘発しますが、そのためには約16時間覚醒している必要があります。起床から15~16時間経過すると、睡眠ホルモンのメラトニンが分泌され、その1~2時間後に眠りにつきます。
朝10時に起床したなら、自然な眠気が訪れによって寝つけるのは午前2~4時になります。

 

眠れないときのTips03
明るくして難解な本を読む

どうせ眠れないなら、仕事で読まなくてはいけない資料(つまらない/嫌い/面倒くさいものがおススメ)とか、難しい本に向き合うのも手です。学生時代に「物理の教科書を読むと眠くなる」という経験をした方も多いのではないでしょうか。こんなとき脳では、苦痛をとりのぞくために、βエンドルフィンという幸せホルモンが分泌されます。これによって、多幸感や鎮静効果が得られます。

 

眠れないときのTips04
体内時計は1時間の誤差を毎日調整している

生き物は一定の周期で眠くなり、空腹を感じ、また生殖のリズムが起こります。これが概日リズム(サーカディアンリズム)、体内時計と呼ばれるものです。概日、つまり「だいたい1日(24時間)」で、ぴったり24時間ではありません。わたしたち人間の場合、約25時間です。
わたしたちの体内時計は自転速度24時間の地球上での暮らしに最適化するために、毎日、誤差1時間を調整されているのです。不眠(睡眠障害)で、1時間の誤差を調整がうまくできないものを「概日リズム睡眠障害」と呼ばれています。

 

参考:概日リズム睡眠障害(厚生労働省「e-ヘルスネット」)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-007.html

 

眠れないときのTips05
寝だめするなら木曜日の夜

「木曜日がいちばん眠りやすい」というさまざまな統計があります。生活リズムが落ち着いてきて、体内時計が調整され、睡眠リズムもしっかり訪れるようです。あと一日がんばれば休みだ!と楽観的になれるのもいいのかもしれません。日曜日に眠れなかったなら、木曜日こそがんばりすぎずしっかり寝てみましょう。

 

眠れないときのTips06
お酒を睡眠薬がわりにしない

寝つきにくい(入眠困難)、すぐ目が覚めてしまう(中途覚醒)、眼が醒めるのが早すぎる(早朝覚醒)など、どうしても眠れないことが習慣になっているなら、医療機関を受診してあなたにあうお薬を処方してもらったほうがいい場合もあります。お酒で眠ろうとすることだけは絶対にやめましょう。

眠れない理由が明確であれば、お薬よりも心理カウンセリングで問題に向き合うことが解決の早道になるでしょう。

 

眠れないときのTips07
体内時計のマスタークロックは視床下部にある

「体内時計」と呼ばれるものは、生殖などに関わる以外のあらゆる細胞に存在します。それらがみな、それぞれの時を刻んでいます。そんな全身の体内時計を統合しているのが、視交叉上核(しこうさじょうかく)という視床下部にあるとても小さな領域。25時間のサーカディアンリズムを1日24時間に合わせて調整しているのも、それに合わせて睡眠、覚醒、血圧、体温、ホルモン分泌といった生理機能のリズムを司るのも、ここで行われています。

 

眠れないときのTips08
光と眠りの深い関係

視交叉上核は外界の光情報に応答して、全身の体内時計を整えています。そのため、光はとても重要な体内時計の調整因子になるわけです。日没後に光を受けると体内時計の進みが遅れて、寝付けなくなり、翌日の活動時間のスタートも遅れます。未明~早朝に光を受けると体内時計が進んで活動時間のスタートが早まり、その夜、早く眠気が訪れます。

睡眠ホルモンであるメラトニンの生成にも光は大きく関わっています。網膜から入る光の量によって左右され、強い光を浴びるとメラトニンの分泌量が減少します。深夜勤務や夜型の生活が続くと、メラトニンが適切に分泌されなくなり、睡眠障害の原因になるといわれています。

 

眠れないときのTips09
深部体温が下がることで眠気が訪れる

人間の深部体温は夕方過ぎ17時ごろをピークを迎えたあと、急激に下降し、明け方に最低になったあと、再び上昇に転じます。睡眠に深く関係する脳の温度も同様の動きをします。これにはメラトニンの働きも関係していて、深部体温が下降しはじめるとメラトニンの分泌量が増えて入眠前1~2時間は血圧がともに低下し、脈拍が弱くなり、やがて眠りに誘われます。このため体温が下がるタイミングは入眠しやすく、眠りも深くなります。

入浴して身体を温めた場合、深部体温も上昇します。これが安眠の鍵です。ゆっくり入浴して深部体温が上昇するとそのまま1~2時間キープして、そのあと深部体温が下がり始めます、このタイミングで就寝すれば寝つきやすく、質がよい睡眠がとれるというわけです。しっかり湯舟に浸かって深部体温を温めてからの、晩ごはん&リラックスタイムは安眠のルーティンになります。

夏場は、空調の温度変化のタイミングも併せて活用するといいですね。

 

眠れないときのTips10
睡眠前のブルーライトがダメな理由

マスタークロックである視交叉上核が体内時計の調整をするとき必要な光情報のシグナルを運んでいるのが、メラノプシンという網膜にある光受容体。メラノプシンは、朝の太陽光に含まれる青色の波長域の光を受けると、活発に働いて「朝だよ!お目覚めです」というシグナルを届けます。つまり、スマホとベッドインするとか、深夜までパソコンに向かうことは、多量のブルーライトでメラノプシンを誤作動させることに大きく役立つわけです。

 

眠れないときのTips11
梅雨~夏場は「冷房」より「除湿」

深部体温が下がることで眠気が訪れますが、気温が高い季節は、汗をかいて気化熱で熱を放出しようとします。そのため入眠直後は発汗量が多くなります。このとき、湿度が高いと汗が乾かず、その不快さで目が覚めてしまったり、なかなか寝つけません。これを防ぐため、エアコンは「除湿」にセット。湿度を設定できるエアコンな安眠できる湿度、50%以下に。冷房をかけっぱなしだと逆に寒すぎて、血管が収縮してしまい、放熱できず逆効果になります。快眠温度は26~28℃。タイマー使用の場合は、寝る前に室温を下げて、布団に入ったら26~28℃に設定して3時間後に切るのがおススメ。

 

[参考]専門家が解説:夏の夜の快眠のために大事なこと
https://www.daikin.co.jp/air/life/laboratory/sultry-night/#cnt5

 

眠れないときのTips12
寝る前の1杯、起き抜けの1杯のお水

一晩にかく汗は、平均してコップ1杯分。この気化熱を利用して体温を下げるための入眠直後の発汗に加え、呼吸でも水分は放出され、トータルで平均500ml、多いときは1リットルもの水分が体内から失われます。そこで、寝る前はコップ1杯の水で、睡眠中に失われる水分補給。熱の放出を助け、血液がドロドロになるのも防いでくれます。

おススメは「ぬるめの水をゆっくり飲む」。血液が胃腸に集まって、脳の興奮が静まり、穏やかに寝つけます。朝は、起き抜けに1杯を。睡眠で水分を失った身体を潤すことで、体内時計のスイッチになって、すっきりと体が目覚めます。

 

[参考]【コップ1杯】寝る前の「水飲み」が朝の脳卒中と心筋梗塞の予防に効果的
https://tokusengai.com/_ct/17298155

 

眠れないときのTips13
ラベンダーだけじゃない、安眠アロマ&ハーブ

香りの刺激は、鼻腔の奥にある嗅覚のセンサーである嗅上皮から大脳辺縁系へ伝わり、その電気信号となって視床下部に届き、自律神経やホルモン分泌の働きを調整してくれます。安眠効果のある香りの代表・ラベンダー、不眠におすすめのハーブティー・カモミールだけではありません。週数回のアロマトリートメントで安眠効果が向上したデータもあるスイートマージョラム、セドロールという睡眠の質を高める成分が含まれるサイプレスシダーウッドヒノキなど針葉樹系の香り、古代エジプトで神に捧げられた聖なる「眠りの香り」フランキンセンスもおすすめ。また女性にはホルモンバランスを安定させてくれるローズウッドゼラニウムも◎。

 

眠れないときのTips14
パソコンのディスプレイを夜間モードに設定する

Windows 10をお使いならば、ディスプレイのブルーライトをカットして暖色系で表示する「夜間モード」があります。夕暮れっぽい?赤味多めの画面になります。日没以降に設定すれば、「一日の終わりに近づいてる」ムードで体内時計も合わせやすくなりそう。ただし、目へのやさしさを考えて、一日中ずっとこれだとちょっと見づらいかもしれません。
[スタート] > [設定] > [システム] > [ディスプレイ] > [夜間モード設定]

 

[参考]Windows サポート
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/4027563/windows-10-set-your-display-for-night-time

 

終日通して、ディスプレイから浴びるブルーライトを減らしたいなら、個々の色の輝度調整で。ディスプレイの [グラフィックスの設定] 、または [検索] でインテルの「グラフィックス・コマンド・センター」を開き、 [色] タブの輝度調整で青の色味を下げます。白地が少し黄色味がかった色になります。

 

眠れないときのTips15
不眠もうつも解消する朝散歩

起床後1時間以内の15~30分の散歩を行う、これだけ。15分ほどでセロトニンが活性化します。30分を超えるとセロトニン神経が疲れてしまい、逆効果。また、起きて3時間以上が経ってからでは、体内時計が後ろに3時間ズレてしまうので逆効果。悪天候で外に出られないときは、室内で「ラジオ体操」で代用してもOK。ただ、午後に散歩しても、セロトニン活性効果が小さくなります。毎日行うのがベストですが、週1~2回でも、不定期でも、徐々に朝の目覚めがスッキリと改善していきます。

 

眠れないときのTips16
小腸のツボ押しが快眠へ誘う

布団に入ったら、あお向けの姿勢で腸のマッサージをすると眠りが深くなります。もちろん、翌朝のお通じも◎。おへそまわりに集まっている小腸のツボ押しがわかりやすくておすすめ。
(1)へその左右、指2本分の位置にあるツボを、息を吸いながら、人さし指、中指、薬指の3本を使って押す。
(2)へその上指1本分の位置にあるツボと、下指2本分の位置にあるツボを、(1)と同じ3本指を使って同時に押す。

 

[参考]就寝前の腸もみで下がり気味の腸を調整
https://www.biteki.com/life-style/wellness/460222

 

眠れないときのTips17
4週間で睡眠の質・量が改善する方法

やることは就寝30分前のスマホの使用をやめること、これだけ。イタリア・ジェノア大学が2020年2月に発表した調査結果によると、スマホ就寝30分前禁止グループ、自由使用グループに分けて、4週間後に比較。禁止グループは、入眠までの時間、中途/早朝覚醒、ネガティブな気分が明らかに減少し、睡眠の質、睡眠時間、脳のワーキングメモリ(作業記憶)の能力が明らかに向上したという結果が出ました。

今、眠れていない人は、4週間後を見据えて、今夜からスマホベッドインをやめましょう。

 

[参考]Effect of restricting bedtime mobile phone use on sleep, arousal, mood, and working memory: A randomized pilot trial
https://journals.plos.org/plosone/article?id=10.1371/journal.pone.0228756

 

眠れないときのTips18
ナイトルーティーンをつくる →new!

睡眠サイクルを整えるには、睡眠前の習慣(ナイトルーティーン)をつくるのが効果的。寝る前に習慣をこなしていくことで、身体は自然に眠りへの準備に入れるというわけ。おすすめは、安眠妨害せず、健やかな眠りに誘ってくれること。たとえば以下のルーティーンなど。

・寝る前に飲み物やお水でリラックス
 (ノンカフェイン、ノンアルコール、ノンシュガー)
・一定の時刻になったら室内照明の明るさを落としたり、間接照明に変える
・就寝30分前からパソコン、携帯電話のブルーライトを浴びない
・マインドフルネス瞑想や自律訓練法
・リラックスできる音楽
・お休み前のスキンケア
・日記(ただし紙のノートに書く)
・眠れないとき、読む本(ただし紙の書籍)を決めておく
 

 

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