アダルトチルドレン(AC)6タイプの傾向を診断|2分でわかるセルフチェックリスト
更新日:8月27日
機能不全家族で親に代わって家族を支え、仕えるために、アダルトチルドレン(AC)は、本来の自分とは異なる役割を演じて育ちます。自分のほんとうの意思や感情を押し殺し、役割を演じ続けたことで受けた心の傷、そして身につけた考え方や行動パターンが、大人になったACの生きづらさやメンタル不調の原因になっています。
あなたはどんな役割を演じ、どんな心の傷が今のあなたをつらくしているのか――。ACタイプ別診断でチェックしてみましょう。
アダルトチルドレンが背負わされた役割
親、あるいは家族の大人のメンバーが、家庭を運営していく、子どもを育てていく役割を全うすることができないために、大人の役割を肩代わりされて育つ子ども、これがアダルトチルドレン(AC)です。最近、話題にされる介護や看病、育児を担わされるヤングケアラーや、子どもを使って自分の人生の穴埋めをしようとした親に教育虐待される子どもたちも、大人の役割を背負わされたACといえます。
この記事では、ACの自己奪還に取り組んできたアメリカのセラピスト、ウェイン・クリッツバーグが著書『アダルトチルドレン・シンドローム―自己発見と回復のためのステップ』で記している機能不全家族でACが演じる代表的な6つの役割について紹介します。
ウェイン・クリッツバーグ著 (監訳:斎藤学/訳:白根伊登恵/1998年/金剛出版)
クリッツバーグはこの6タイプについて、あくまでも一般化した役割としています。ほかにもACの演じる役割はあり、また複数の役割が混合されていたり、複数の役割を同時に演じたり、役割が移り変わっていくこともあるとしています。
[hero]ヒーロー/英雄役
役割:自慢の子・優等生・万能選手
学校や職場など【家庭の外での華々しい活躍】で家族の誇りとなる役割。
ヒーローの好成績・高評価は、一時的であっても両親の不仲を和らげたり、家庭内に明るいお祝いムードをもたらす。家族の期待を一心に背負ったヒーローは、その役割を全うするためハードワークを欠かせない。
アダルトチルドレン(AC)タイプ診断チェック[ヒーロー]
100%では飽き足らず、120%、200%を目標にする
結果が出せないと自分の居場所がなくなる不安に駆られる
勉強熱心な努力家だが「まだまだ足らない」と焦る
失敗やミスを取り返しのつかないことのように感じてひどく落ち込む
大人になった今でも親から褒められたいし、認められたい
仕事が手一杯でも相手の依頼を断ることができない
息抜きや休養、睡眠をたやすく削る
4つ以上当てはまる人はヒーロータイプの傾向があります。次の記事で詳しく見てみましょう。
[scapegoat]スケープゴート/叱られ役
役割:生贄・犠牲・身代わり
家族の手を煩わせ、家族から叱られ、心配される厄介者。
スケープゴートは自ら【家族の問題児】を演じ、向き合うべき真の問題から家族の目を反らす。スケープゴートの起こしたトラブルに対応し、スケープゴートを叱りつけている間は、安定的に家族はひとつにまとまっている。
アダルトチルドレン(AC)タイプ診断チェック[スケープゴート]
「金食い虫」「石つぶし」と親になじられたことがある
「いざ、ここで」というタイミングで必ず失敗しそうな気がする
文房具や洋服、外食のメニューまで自分の希望はことごとく否定された
親がなぜ自分を生んだのか疑問に思う
きょうだいと比較され、デキない子呼ばわりされた
自分の真の味方はいないと感じる
両親や教師に対して、長期間にわたる徹底的な抵抗・反抗をしたことがある
4つ以上当てはまる人はスケープゴートタイプの傾向があります。次の記事で詳しく見てみましょう。→アダルトチルドレン(AC)スケープゴートの特徴と自分を取り戻すステップ
[lost one]ロストワン/不在役
役割:いない子・迷子・隠れる子
物陰にじっと潜むロストワンは、家族の目から消えている【忘れられた手のかからない子】。
家族のメンバーの主張に従い、自分は意思表示せず黙っている。揉め事の尽きない家庭で波風を立てないように、迷惑をかけないように、そして、家族からの被害にも遭わないように孤独を選んだ。
アダルトチルドレン(AC)タイプ診断チェック[ロストワン]
人見知りで、自分のことをいろいろ聞かれるのが嫌い
子どもの頃から一人遊びが上手だった
大勢の人の目に晒されると、緊張や恐怖を感じる
イジメのターゲットになり、守ってもらえなかったことがある
集団行動が嫌いで、一人になれる場所を探す
創作活動や手芸に没頭するのが好き
不登校の経験がある
4つ以上当てはまる人はスケープゴートタイプの傾向があります。次の記事で詳しく見てみましょう。
[clown]ピエロ/道化役
役割:道化師・マスコット・ムードメーカー
英語で大道芸の道化師を意味するクラウン(clown)はピエロのこと。かわいらしく、あるいはひょうきんに面白おかしく振る舞うことで、機能不全家族の張りつめた空気を和らげる【ムードメーカー】の役割を必死に演じる。ピエロのメイクと同様、この子の笑顔の裏には涙が溢れている。
アダルトチルドレン(AC)タイプ診断チェック[ピエロ]
怒鳴り声や大きな物音で、ビクっとする
よく物まねや変顔をする子だった
沈黙が苦手で、何か言わなきゃと考える
愛想がよく、朗らかで礼儀正しい
怒っている人がいるとき「まあまあ」と仲裁に回ることが多い
自覚はないが「何、笑ってるの?」と聞かれることがある
人に本心を読まれてないか不安になる
4つ以上当てはまる人はピエロタイプの傾向があります。次の記事で詳しく見てみましょう。
[placater]プラケーター/慰め役
役割:カウンセラー・愚痴聞き・仲裁
混乱し、衝突する家族の怒りを鎮めて仲裁し、またあるときは悲しみに暮れ、疲れ果てた家族に寄り添い、慰める。プラケーターは【家族の心の鎮痛剤】。
津波のように押し寄せる大人たちの負の感情を、プラケーターは一身に受け止める。たとえ子どもに聞かせるべきでない言葉であっても。
アダルトチルドレン(AC)タイプ診断チェック[プラケーター]
聞き役と話し役、圧倒的に聞き役が多い
他人の相談を受けても、自分から相談をもちかけることはない
結婚や出産に対して否定的な思いがある
子どもの頃、泣いてる子をヨシヨシするのは自分の役目だった
たとえ笑顔でも、相手がムカついていることにすぐ気がつく
衝撃的な告白を聞いても、あまり表情には出ないほうだ
親には育ててくれた恩があるから、そばを離れられない
4つ以上当てはまる人はプラケータータイプの傾向があります。次の記事で詳しく見てみましょう。
[enabler]イネイブラー/支え役
役割:お世話係・救済者・奉仕
イネイブラーは、機能不全家族の失われた機能を労働によって補完する【家族のボランティアワーカー】。
不在や放棄(ネグレクト)する親に代わって、家事・育児・介護・就労による経済活動などを担う。支配的な親の問題を助長し、歪んだ依存・服従関係を築く。搾取子に多い。
アダルトチルドレン(AC)タイプ診断チェック[イネイブラー]
困っている人に助けを求められるとどんなときでも断れない
どうしようもない異性に貢いで尽くしてしまうタイプだ
「もう、しょうがないなあ」と思いつつ手を貸すことが多い
母性本能や保護欲求が強いほうだ
高圧的に出られると、つい相手の言いなりになってしまう
利用されるとわかっていても関係性が切れない
親には育ててくれた恩があるから、援助しなくてはならない
4つ以上当てはまる人はイネイブラータイプの傾向があります。次の記事で詳しく見てみましょう。
毒親に奪われてしまった本来の自分を取り戻すには、どんな役割を背負わされていたのかを理解することが第一歩。どんな役割を演じることで、どんな考え方や行動のパターンを身に着けたのか、何に傷つき、何を求めたのか。実際のACカウンセリングでも、そこから対策やセルフケアにアプローチしていきます。
[あわせてチェック]
・家族の機能不全のリスクとACの傾向をチェック
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